キツイ仕事で、休みも無い、さらに給料も安い・・・不思議なもので人はこういった状況ほど「やりがいがある」「楽しい」と感じる生き物なのです。
仕事がキツイというのはプラスとマイナスで考えると一般的には「マイナス」要因です。
休みが無いというのも一般的には「マイナス」要因です。
給与も安いというのも一般的には「マイナス」要因です。
この状態では全ての要素がマイナスです。
マイナス要因ばかりなのに、仕事をするというのは人間の心理状態としてはバランスが取れません。
そのアンバランスな状態に均衡を取るために「この仕事は楽しい」「やりがいがある」と無理くりにプラスの状態を作り出し、納得することになります。
「仕事がキツくて、休みも無くて、給料も安い仕事をしているのは、仕事が楽しいからだ。」
と考えるわけです。
これを認知的不協和と言います。
「え~、そんなバカなことがあるはずがない!!」
と思います?
でも、私は経営相談を受けて
「この人は認知的不協和に陥っているかもいしれない」
と感じることがあります。
それはその人が次のようなことを口にし出した時です。
「それほど儲からなくてもいいんです。人のためになれば・・・」
もちろんボランティア精神が強く、社会に貢献したいという純粋な気持ちから生まれた言葉なら良いのですが、起業して毎日毎日仕事をしても利益を生んでいないというマイナスの現実を正当化するために「人のため・・」というプラスの要因を作り出して均衡を保っていることも少なからずあります。
利益がすべて正しいわけではありませんが、人がカロリーの摂取が少なくなると健康を害するように、いくら自分の行動を正当化しても会社にとってのカロリーである利益の補給が滞るようであれば、それは起業独立者や経営者にとって本末転倒。