自分への信頼

昔、仕事を一緒にしていたAさんとBさんの2人のグラフィック・デザイナーがいました。

Aさんは10日の夕方に納品する仕事があれば、ほとんどの場合、彼の仕事は9日の朝には仕上がっていました。
Aさんは納期に一度も遅れたことがありません。


一方、Bさんは10日の夕方に納品する仕事があれば、10日の朝に電話すると「まだ、できてないんだけど・・。」と言っていました。そして、10日の昼に電話すると「うん、もうちょっと・・・。」と言います。
そして、業を煮やして彼の事務所に出かけていくと「まだ、全然できていないだ。ゴメン。」と言われることがよくありました。結局、Bさんにお願いすると納期がいつも2、3日ズレました。


「信頼。」
私はAさん、Bさんのどちらにこの言葉を感じていたか?
言うまでもないですが、やはりAさんです。

そして、当然ですがAさんは私以外の人間からの信頼も厚く、
いつもたくさんの仕事を抱えていました。

納期、期限を守ることは仕事のうえでは最低限度のルール。
やると決めた仕事を、決められた期日までに仕上げる。
これは信頼を構築するための必須条件です。
こんなことは言うまでもないことですね。


ある時、会社案内制作の仕事を受注しました。
その時には自分の手で構成案を書こうと決めました。

その構成案を元に1週間後にデザイナーと打ち合わせをする予定でした。
ところが他の仕事も入ってきて私は構成案作成の作業が進みませんでした。

締め切りの前日の夜、私はデザイナーに電話をしました。
「ゴメン。明日の打ち合わせを延期してもらえない?」


電話を切ってから自分がBさんと同じ事を言っていたことに気が付きました。
「いかんなあ。オレは・・・。」

そして、その時にもう一つ気が付いたことがあります。
それは、
「こういうことを繰り返していると信頼を失くす。」
ということです。

他者からの信頼を失くすことはもちろんですが、その時に私が気が付いたのは
『こういうことを繰り返していると、
自分で自分に対する信頼を失くす。』
ということです。


締め切りや納期は他者との約束であるとともに
それは自分自身と取り交わした約束でもあります。
だって、その期日に「自分で合意」したわけですから。

自分との約束を守れないことが続くと
少しずつ自分の中で「自分の自分に対する信頼」が失われていきます。

これが積み重なると「いざ!」という人生の大きな選択局面が
来た時に「自分を完璧に信頼する」ことができなくなります。


「自分に自信がない」
そんな人はまずどんな小さなことでも「自分と交わした約束」「自分で決めたこと」を
きっちり「果たす」ことの大切さに気付きましょう。


自分への自信や信頼は「他人」が与えてくれるものではありません。
あなたの自分に対する自信や信頼は「あなた自身があなたに与える」ものです。

そして、その信頼は「自分と交わした約束」「自分で決めたこと」を
ちゃんと守ることがから生まれます。

そして、「自分と交わした約束」「自分で決めたこと」を
ちゃんと守っている人は他者との間で交わした約束もちゃんと守れる人です。
一番実行が難しくて、大切な約束は「自分との約束」です。


冒頭のグラフィックデザイナーのAさんは
私と仕事の打ち合わせをして締め切りを10日に決めた時に、
自分と約束していたはずです。
「俺はこの仕事を10日までに仕上げる」と。

そして、それを実現することは自分との約束を守ることにつながり、
他者との約束を守ることにつながっていたのです。


だから、彼には多くの人の「信頼」が集まっていました。
そして、言うまでもなく彼を最も信頼していたのは
「彼自身」だったはずです。




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