☆ビジネス心理学講師・酒井とし夫のメッセージ 617
【人の心を操る!?】

以前の記事で介護中の母に次のように言うと書きました。
「しっかり立っていて、電気をつけてね。」

歯磨きのたびに半身麻痺の母を洗面所に連れいきます。
そして、母が洗面台につかまって立っている間に椅子を持ってくる。

その時に
「電気をつけてね。」
というと言うことを聞かないのですが、
「しっかり立っていて、電気をつけてね。」
と言うとほとんどの場合、電気をつける・・と、以前の記事で書きました。
覚えていますか?

講演会でも参加者の方に向かって次のように言うことがあります。
「立ち上がって、椅子を中にいれて、できるだけ多くの人と握手をしてください。」
するとほぼ100%の割合でみんな立ち上がって握手をし始めます。

実はこの話法は母に
「しっかり立っていて、電気をつけてね。」
と言うのと同じなのです。

この話法の共通する部分が分かりますか?

それは・・・「要求を重ねる」ということ。

私が母親に
「電気をつけてね。」
と言うと、その要求は1つです。
母親には「イエスとノー」の選択肢があることになります

しかし、
「しっかり立っていて、電気をつけてね。」
だと要求が2つ重なっています。
この場合、母親には次の選択肢があることになります。
 しっかり立つ イエス + 電気をつける イエス
 しっかり立つ イエス + 電気をつける ノー
 しっかり立つ ノー + 電気をつける イエス
 しっかり立つ ノー + 電気をつける ノー

このように命令を重ねるほどに、相手には選択肢が増えていきます。
人間は案外面倒くさがり屋なので複雑なことを嫌います。

「イエスとノー」の選択肢だけだと脳は簡単に判断できますが、上記のように選択肢が増えると「うーーーーん、どうしよう・・・うーー面倒だ!」と判断し、しかも断ることが面倒なので無意識にどの命令も受け入れやすくなるのです。

だから
「夕方までに提案書を作成してくれ!」
と指示するよりも
「こっちのコピーをとって、夕方までに提案書を作成してくれ!」
と伝える方が効果的になります。

人間心理を理解すると仕事にも大いに役立つと思いませんか?

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