中小企業経営を成功させる3つの広告宣伝販促術

第一章/小さな会社やお店の現状/日本企業の8割は小さな会社やお店

広告宣伝テクニックの話の前に少しだけ日本の中小企業の実態について見てみましょう。それにより小さな会社やお店にとって広告宣伝がいかに重要なものであるかがより深く認識できるはずです。

経営コンサルタントとして有名な竹田陽一氏によると「個人企業まで含めた日本の企業の82%は従業員数が9名以下の小規模企業である。」と言われています。つまり、日本国内の会社やお店のほとんどはあなたや私と同じような規模の小さな会社だということになります。

では、このうちどれくらいの企業が儲かっているのでしょうか?
総務庁発表の「事業所・企業統計調査」によると1991年以降は、廃業率が開業率を上回る状態が続いています。


また、国税庁のデータを調べると分かりますが、日本では好況時で4割、不況時で7割の企業が赤字となっていますので、どんな時代でも平均して企業のおよそ半分は利益が出ていないのが実情です。ちなみに国税庁(http://www.nta.go.jp/)の「統計情報」で平成15年度の法人税の課税状況を調べると「普通法人2,790,489社中、利益法人は785,959社」となっています。割合にしてわずか28%です。全体の28%の会社しかまともな利益を出していないのです。

さらに、「失敗しない独立・起業」(ランチェスター経営(株)・カセットテープ版)の中では企業の生存率について「日本の場合、新規独立して一年以内に倒産する率が4割、十年間経営を続けられる率は2割である。」と解説されています。

これらの数字はいったい何を表しているのでしょうか?上記で述べた数値は全て一部上場企業や有名企業、一流企業を含めての数字ですが、これらの数値と冒頭で述べた日本の企業の8割以上が社員数9名以下の小規模企業であることを考え合わせると、倒産・廃業企業のほとんどは小さな会社やお店であり、生き残っている会社やお店でもその経営状態は極めて厳しいことを物語っています。

つまり、日本の会社の大半を占める小さな会社やお店はよほど上手に経営を行わないと利益を出し続けることはとても難しく、5年後、10年後まで生き延びて会社を存続させることも難しいというのが現実だということです。

では、何故多くの小さな会社やお店が倒産するのでしょうか?当たり前のことですが、それは資金(お金)がなくなるからです。大手企業であれば資金がショートしても土地や建物を担保にしての借り入れや社債の発行、増資によって資金を調達することができ、支払いは手形を振り出すことができますので事業の継続は可能ですが、あなたや私のような小さな規模の会社やお店では十分な担保もなく、金融機関もおいそれとは融資をしてくれませんし、社債の発行や増資も簡単には出来ませんので、資金ショートの状態が数ヶ月も続けばすぐに会社やお店はつぶれてしまいます。

では、何故、資金(お金)が無くなってしまうのでしょうか?・・・これも小学生でも分かるような当然のことですが「コスト>利益」の状態が続くからです。では、何故、「コスト>利益」の状態が続くのでしょうか?それは投入した経費を上回る利益が回収できないからです。では、小さな会社やお店の「経費」とは何でしょう?

小さな会社や小さなお店の収益性を圧迫する大きな要因となる「経費」は2つです。一つは事務所代や人件費などの固定費であり、もう一つは集客のための広告宣伝費です。このうちの事務所や店舗費用が発生するのは会社やお店を経営する限り仕方の無いことですが、会社やお店にとって利益の源泉となる見込み客を誘導するための手段である広告宣伝費が収益を生まない場合には、それはお金をどんどん捨てているようなものであり、この状態を続けると経営が立ち行かなくなるのは当たり前のことです。

だから、ホームページでも述べたようにあなたや私のような小さな会社やお店の経営者は利益の源泉となる見込み客を誘導するための手段となる広告宣伝を「デザインや印刷には詳しいが、経営もマーケティングも知らない人たち=広告代理店、制作会社、デザイン会社、印刷所の制作部署」に任せてはいけないのです。

チラシやDM、ホームページの外注制作では最低でも数十万円のコストがかかりますから、経営資源の少ない(はっきりいうとお金の少ない)小さな会社やお店では常に広告宣伝コストの2~3倍のリターンがないと、すぐに「広告を出すたびに資金が減る→資金が無いので広告が出来なくなる→来店客や問い合わせがさらに減る→業績が上がらない→ジリ貧→倒産」という事態に陥ります。

もし、あなたが今「チラシやDMを出しても思うように集客が出来ない。」「コストを回収できる広告宣伝ができない。」と悩んでいるとしたら、その問題は早急に解決しないと、「広告を出すたびに資金が減る→資金が無いので広告が出来なくなる→来店客や問い合わせがさらに減る→業績が上がらない→ジリ貧→倒産」といった事態に陥る可能性が大と言えます。


二章/広告宣伝原稿はあなたが作るべし/広告代理店、制作会社、印刷所の担当は共同経営責任者ではない


小さな会社や小さなお店の経営者は自社のチラシやDM、ホームページといった広告宣伝ツールを作る際には地元や知り合いの広告代理店、制作会社、印刷所を利用します。

そして、ほとんどの場合、その発注は「私(小さな会社やお店の経営者)はデザインや広告のことは良く分からないからプロ(広告代理店、制作会社、印刷所)に任せるよ。」という発注の仕方になります。

私は20代のころ都内の中堅広告代理店に勤務し、広告制作の中心で動いていました。お客さんから見るといわゆる「広告のプロ」の立場でした。しかし、正直に言いますが私は広告代理店に勤務しながら広告、デザイン、PR、販促、コピーライティング、撮影に関しての書籍はただの一冊も読んだことがありません。先輩や上司のやり方を見て、見よう見まねで、経験で何とかなっていました。でも、お客さんの目から見るとそんな私は「広告のプロ」なのです。

だから私は「広告のプロ」としてお客さんにこう言ってアドバイスしていました。
「今時、文章で説明しても誰も読みませんよ。だからモデルを使って撮影した方がいいんです。イメージ広告の方がインパクトがあるんです。今回は沖縄で撮影しませんか?商品イメージにもピッタリだし!」「広告は何度も繰り返し行なわないと効果が出ません。来月も出稿しましょう。」「その部数では印刷コストが割高になるので、もっと折り込みエリアを広げて配布部数を増やしましょう。最低でも10万部は印刷しないと結局は割高ですよ。」

良く考えれば分かりますが、上記はすべて「お客さんの見込み客を増やしたり、問合わせや商品の申し込みを増やすためのアドバイスやお客さんの売り上げを増やすための提言」ではありません。私の売上げを増やすためのアドバイスです。

ここで大切なことを言います。よく覚えておいてください。
広告代理店、制作会社、印刷所の担当者は単なる、サラリーマンです。あなたの会社からお給料をもらっているのではなく、自分の会社から給料をもらっています。だから、あなたの会社の売り上げや利益ではなく、自社の売り上げや利益のために仕事をしなくてはならないサラリーマンなのです。彼らにはノルマがあります。営業成績が悪いと自分の評価が下がります。だから、自分の売り上げを増やすために仕事をしなくてはならないのです。彼らはあなたの会社の共同経営責任者ではありません。

あなたの会社やお店の経営責任はあなたにあります。だから、小さな会社やお店に利益をもたらす見込み客の集客に直接関わりのある広告宣伝の原稿作成、構成、表現方法は経営者であるあなたが文章を考え、構成を考え、訴求方法を構築すべきです。あなたが考えた文章、構成、訴求方法を「デザイン、レイアウトを組むことや原稿の整理や編集が得意」な広告代理店、制作会社、印刷所の担当者に「形」にしてもらうのです。

「あなたが考えたこと」を「もの作りのプロである業者」に発注して「形」にするのです。「業者が考えたこと」を「形」にさせてはいけません。小さな会社やお店の経営者はこの順番を間違えてはいけません。

ここをあなたが理解しておかないとチラシの新聞折り込みをするたびに、DMを発送するたびに、ホームページを更新するたびに売り上げが上がるのは「あなたの会社やお店」ではなく「業者」になります。この状態を何度か繰り返すと、広告出稿主は資金ショートを起こし、資金繰りに困り、倒産件数を一件増やすことになります。

もちろんそのときに潰れるのは広告代理店や制作会社、印刷所ではありません。それは広告を出している小さな会社やお店です。

第三章/広告宣伝のポイントは「人の心」

では、具体的にどのようにすれば効果的な広告宣伝の原稿の作成、効果的な構成、効果的な訴求が出来るのでしょうか?私は広告代理店を辞めて起業独立後、自らが広告を出稿する「クライアントの立場」になったのですが、やはりなかなか「コストを上回る収益を生む広告」は作れませんでした。その後、10年近い紆余曲折を経て、あるきっかけからマーケティングや社会心理学を徹底的に学ぶ機会にめぐり合いました。この時には約2年の学習期間と5百万円近くの金額を投資しましたが、そこで学んだノウハウを自社の広告に利用するようになってからチラシやDMの反応率が驚くほど良くなりました。

そのため今では新聞に折り込まれている他社のチラシや新聞広告を見ると大体その会社が儲かっているかどうか私には分かるようになりました。(実際に気になった会社の業績はデータバンク等で調べるのですが、ほとんどが私の予想通りの超優良企業です。)また、私が経営する会社も正社員はわずか2名ですが売り上げは9桁を超えており、取引金融機関の支店長や担当税理士が驚くほどの高収益な会社です。その集客のほとんどは広告宣伝の力によるもので、人的な営業活動は一切していません。

大きな会社では経営資源(具体的には資金)が豊富なために広告宣伝に際しては「大量配布」と「繰り返し」という方針が基本です。しかし、経営資源の限られている小さな会社や小さなお店の広告宣伝は「一回一回が勝負」です。小さな会社やお店が大きな企業の広告宣伝戦略をマネたり、制作会社や広告代理店、印刷会社の「大量配布しましょう。」「繰り返し広告を打ちましょう。」「イメージ訴求しましょう。」「全国紙に広告を出しましょう。」といった言葉に乗せられたまま広告宣伝を続けると、資金が減り続け、経営がジリ貧になる底なし沼にはまります。

小さな会社やお店が限られたコストで効果的な広告宣伝を行なうためには「価格訴求」や「商品の羅列」「商品機能の説明」「高品質のアピール」「広いエリアへの大量配布」ではほとんど「コスト<収益」となるような効果は期待できません。
ホームページでも書いたように小さな会社や小さなお店の広告宣伝のポイントは「人間の心を動かすこと」にあります。

あなたの会社やお店に利益をもたらしてくれるのはお客様ですが、お客様は「その商品やサービスが良いから買う」のではありません。何故なら、お客様は広告を見た段階ではあなたの商品やサービスを実際に使用しているわけではありませんから、その商品やサービスの質がよいか悪いかはその時点では分からないはずなのです。

実際にお客様が商品やサービスを購入して、それを使ってみた後で「返品やクレームが少ない」「賞賛の声が多い」「購入者からの紹介者が増えている」という現象が現れているならば、それはその商品やサービスの質の良さを証明していますが、お客様がチラシやDMといった広告物を手にしている段階では商品の購入も使用もしていないわけですから「その商品の質が良いかどうか」はお客様には分からないはずなのです。だから小さな会社やお店が扱う無名の商品やサービスの場合には「商品の質の高さ」と「お客様からの申し込み」の間には何の因果関係もないのです。

つまりお客さんは「その商品やサービスが良いから買う」のではなく「その商品やサービスが良いと思うから買う」のです。お客さんは「その商品やサービスが安いから買う」のではなく「その商品やサービスが安いと思うから買う」のです。この「思う」という部分が広告宣伝では重要なのです。ポイントは「人の心」なのです。

人間心理を理解して、人間の心に訴えて、「良いと思わせる」「安いと思わせる」「欲しいと思わせる」「今、買わないと損だと思わせる」「自分にはこれが必要なのだと思わせる」ことが経営資源の少ない小さな会社やお店の広告宣伝では必要なのです。


第四章/社会心理学を応用した3つの広告宣伝テクニック

では、「人の心」に訴え、「人の心を動かす」ためには何が必要でしょうか。・・・それは「社会心理学」です。

社会心理学とは「人間は自分や他人、集団、社会の思考、感情、行動によってどのように影響を受けるのかを調べるための科学」です。一般的には心理学とビジネスの間には何の関連性も無い様に思われていますが、ビジネスにおいて大きな利益を実現している経営者から経営戦略の話を聞いたり、世界的に有名なマーケッターやセールスマンが明かしている手法を学べば学ぶほど、『効果果的なビジネスモデルやマーケティング的に効果の高い手法やテクニック、そして極めて有効なセールスノウハウの根底には心理学が深く関わっている』ことが理解できます。

心理学には数多くの理論や実験データが存在し、ビジネスに応用して効果を上げることのできるものは数多いのですが、次ページからは明日からすぐに広告宣伝に応用できる3つの具体的テクニックをあなたのために公開・解説していきます。



広告宣伝テクニック その1 / フィア・アピール
社会心理学には「フィア・アピール」という理論があります。人間は快楽を求め、苦痛を避ける生き物ですが、快楽を求めて行なう行動より、苦痛から逃れるための行動の方がパワーが強いと言われています。そのためマーケティングではこの人間の心理を利用して「意図的に見込み客に恐怖を与え、それに対する救済措置を提示する。」という「フィア・アピール」をベースにした広告、セールス手法がよく使われています。

生命保険会社のCMで「一家の大黒柱であるあなたがガンになったら家族は路頭に迷ってしまいます。備えあれば憂いなし。今すぐ資料請求を!」というのは明らかにフィア・アピールです。一時的に不安、恐怖を抱く状態を作り出し、その不安や恐怖から逃れるための救済措置を提示しているのです。不安な状況下では親和要求が発しやすく、そこで救いの手を差し伸べると、「地獄に仏」状態となり、見込み客を意図する方向へ誘導することが比較的容易になります。

フィア・アピールとビジネスを関連付けて話をすると、「人を不安にさせて商売するなんで邪道だ。」という人がいます。でも、これは良い悪いの議論ではなく、人間心理と事実についての話です。意識する、しないに関わらず、セールスの現場では「今どき英語も話せないようでは、リストラ候補ですよ。」とか「パソコンなんか使えて当たり前の時代ですよ。未だに使えないのですか。」「他のライバル企業はとっくの昔に導入済みですよ。早くしないと負けますよ。」という会話が日常的に使われており、こういったセールストークに続いて英会話教材の申し込みやパソコンの導入が薦められます。これもフィア・アピールです。フィア・アピールを知っていて意図的に使っているのか、経験的に無意識に使っているのかの違いだけです。


広告宣伝テクニック その2 / 限定条件下の事実
次に「限定条件下の事実」という心理学の理論を利用した広告宣伝テクニックをご紹介します。
ある一定の条件の下においてのみ、当てはまる事実を「限定条件下の事実」といいます。例えば「この人はうちの部内で部門1位の売上げを叩き出した会社員です。」と言われるとどんな印象を持ちますか?

こう言われると、「この会社員はもの凄いヤリ手のエリートサラリーマン」に思えてきませんか。でも、その会社には30以上の部署があり、彼は売上げ実績最下位の部署内での売上げNo.1で、しかもその売上げは身内の関連会社からの期末調整のため棚ボタ式にもたらされた売上げであったとしたら、どうでしょう。印象はずいぶんと違ってきますよね。

でも「部門1位の売上げをたたき出した会社員!」という表現は嘘ではなく事実です。この場合には「その部署」においてはNo.1の売上げであることには間違いないのです。こういった特定の条件の下での事実のことを「限定条件下の事実」と言います。

これは書籍や映画の広告で良く使われます。「○○書店10月度売上げNo.1の本」とか「アマゾン ビジネス書部門で1位を獲得した本」、「公開後3週間の売上げ歴代1位の映画」とか「20代の女性が選ぶNo.1(読者50人の電話調査)」などというのも全て「限定条件下での事実」を利用しています。

自動販売機の特定のメニューボタンに「売れ筋 No.1」というシールが貼ってあるのも、飲食店で「当店の一番人気メニュー!」と書かれたお品書きが壁に貼ってあるのも「限定条件下での事実」です。

人間は「No.1」とか「ベスト1」という表現を聞いただけで反射的にプラスのイメージを持ちます。「全社内売り上げ30位!」より、「部門1位!」の方がインパクトがあるのです。

ビジネスでこれを応用すると広告物には「最も売れ筋です!」
「当店の売れ筋商品No.1」「先週のオーダー ベスト1」「店長が薦めるNo.1」
「よく売れています!」
「当店人気アンケートNo.1」
と、いった表現で、「限定条件下の事実」を表現し、商品やサービスの「凄さ」を感じてもらうと効果的だということになります。

広告宣伝テクニック その3 / 単純接触効果
3つめのテクニックとして「単純接触効果」を説明します。心理学では「繰り返しによる出会いが相手に対する好意度を増す。」という実験結果が数多く報告されています。例えば次のような実験事例があります。R・J・モアランドとR・B・ザイアンヌが1982年に行なった実験です。女子学生をA、Bの2つのグループに分けます。Aグループには1週間に一回ずつ、4週に渡って同じ男子学生の写真を見せ続けます。そして毎週その男子学生に対する好意度を調べます。Bグループには1週間に一回ずつ、4週間毎週違う男子学生の写真を見せます。こちらも毎週その男子学生に対する好意度を調べます。

毎週調べた男子学生に対する好意の度合いはAグループの女子学生は写真の男性に対する好意度が毎週上がっていったのに対して、Bグループの女子学生は写真の男性に対する好意度はほとんど変わりませんでした。この研究結果から、繰り返しの出会いは相手の魅力や好意に影響を与えると考えられるようになったのです。これを「単純接触効果」と言います。

このことはあなたもご自身の経験から理解することが出来ると思います。例えば、営業マンは上司からこう言われます。「仕事が無くても毎日お客さんのところへ行け!」と。仕事が無くても「こんにちは!!」と、毎日お客さんに顔を会わせる事によって、お客さんの心に好意が生まれるのはあなたにもご理解いただけるはずです。

またマーケティングの世界でも「見込み客に対して7回から25回の接触機会を持たないと見込み客は購買に至らない。」という定説があります。つまり、心理学における実験結果と営業マンの経験則、さらにマーケティングにおける説のいずれもが「単純接触効果」の効果の高さを証明していることになります。

この単純接触効果をビジネスで活かすにはどうすればよいのでしょうか?それは、「見込み客に対して何回もチラシや手紙やDM、メール等を使ってフォローをする」ことになります。「なーんだ当たり前のことじゃないか!」と思われましたか。でも、実際にあなたは見込み客に対して7回も接触を行っているでしょうか?ほとんどの会社やお店では1、2回のアプローチしかしていないのが現実だと思います。それでは効果は出ません。

本当に「単純接触効果」を自分のビジネスに応用しようと考え、広告等で自社の事を知った見込み客に対して、最低7回の接触を試みようと思った場合には例えば次のような仕組み作りが必要になります。

1. 地域広告で資料請求をさせて1回目の接触
2. 資料郵送時に手紙を同封して2回目の接触
3. 「資料はお手元に届きましたか?」という電話やDMで3回目の接触
4. 新製品のご案内のフォローDMやメールで4回目の接触
5. 展示会、発表会、ご招待のご案内DMで5回目の接触
6. 展示会、発表会、ご招待の場で6回目の接触
7. 展示会、発表会、ご招待への「ご来場ありがとうございました。」という電話やDMで7回目の接触

小さな会社やお店では「一発勝負」的に、幅広い地域に対して、単発的、集中的に広告展開を行なうことが多いのですが、「繰り返しによる出会いがあなたの会社やお店に対する好意度を増す」ということを理解していれば、一回の広告宣伝、販促活動に予算を集中させるのではなく、同じ予算を使うなら最低でも5~7回の接触を生み出すような広告宣伝、販促活動を予め計画すべきなのです。
以上、ここまでに「フィア・アピール」「限定条件下の事実」「単純接触効果」という3つの心理学的広告宣伝セールステクニックを解説してきました。

「人間は恐怖や恐れ、危険を感じた後に、その解決法や回避法、脱出の方法を提示されると、その方向へ心が動き行動を起こす傾向が高い」という理論や、「人間は【No.1】とか【ベスト1】という表現を聞いただけで反射的にプラスのイメージを持つ傾向がある」「繰り返しの接触が好意を生む」といった人間心理は心理学の分野では既に実証済みなのです。

こういった理論や実験結果を理解して、それを自社の広告や宣伝、セールス活動に利用して実績を挙げているのが外資系の生保、損保会社や通信販売会社、そしてテレビショッピングといった小さいけれど収益性の高い会社なのです。

もちろん、恐怖や恐れを感じた100人中の全ての人が「フィア・アピール」理論どおりに、回避行動を起こすわけではありませんし、100%の人が「1位」という表現に心を動かされるわけではありません。

しかし、「多くの人間は恐怖や恐れ、危険を感じた後に、その解決法や回避法、脱出の方法を提示されると、その方向へ心が動き行動を起こす傾向が高く、【No.1】とか【ベスト1】という表現を聞いただけで反射的にプラスのイメージを持ち、繰り返しの接触が好意を生む傾向が高い」ということは既に心理学の実験や理論で証明されているのです。

こういったことを理解している小さな会社や小さなお店の経営者はこの人間心理を利用して広告宣伝活動を行っているのです。ここで説明した「フィア・アピール」や「限定条件下の事実」「単純接触効果」は広告宣伝に利用できる心理学理論のほんの一例です。
他にも何百種類という理論や実験結果があり、私自身はそれらを効果的に広告宣伝に利用して、「広告コスト<収益」を導き、9桁の売り上げ実績を人的な営業活動無しで実現しています。


何度も言いますが、あなたの会社やお店に利益をもたらしてくれるのはお客様ですが、お客様は「その商品やサービスが良いから買う」のではありません。「その商品やサービスが良いと思うから買う」のです。

最後に/会社やお店の明日を変えることができるのは経営者であるあなただけ

あなたはおそらくとても真面目な経営者だと思います。何故なら、当会のホームページを含めて、このレポートを読み終えるにはかなりの時間がかかったと思いますが、「会社やお店の経営を良くしたい!」という気持ちがなければ、忙しい中をわざわざ貴重な時間を割いてここまで読み終えてはいないはずだからです。本レポートが少しでもあなたのお役に立てたなら幸いです。

世の中の経営者の最大の悩みは「儲け」です。他にも後継者問題、資金繰り、人材不足、新規事業開発等の問題もありますが、これらの問題は「儲け」があって初めて取り組める問題です。もしあなたの会社やお店が「儲からない」「壁にぶつかっている」「売り上げが伸び悩んでいる」のであれば、そこには原因があるはずです。その原因は何でしょうか?「不況」「社会情勢」「競合の存在」「客の趣味嗜好の変化」「価格競争」・・・いろいろ考えられますが、最も根本的な要因は何でしょうか?

「不況」「社会情勢の悪化」「強い競合の存在」「めまぐるしく変わる客の趣味嗜好の変化」「コストギリギリの価格競争」という同じ条件であってもあなたと同じ業種、業界で「結果を出している経営者」は必ず存在します。つまり、「不況」「社会情勢」「競合の存在」「客の趣味嗜好の変化」「価格競争」等は経営の結果に対する根本原因ではないということになります。

誤解を恐れずに言いますが「儲からない」という結果を生み出す根本原因は「経営者の経営戦略、マーケティング、広告宣伝、セールス、財務に関する不勉強」です。・・・カチンと頭にきましたか?でも、怒らないで聞いてください。

世の中の経営者の大半は真剣に経営に取り組んで、日々の仕事を行なっています。とても、忙しいです。やることが山ほどあります。・・・だから、不勉強になるのです。毎日毎日、目の前に処理しなくてはいけない業務があるので「経営戦略、マーケティング、広告宣伝、セールス、財務を学ぶ時間が取れない」のです。

しかし、野球でも、ゴルフでも、水泳でも、将棋でも、囲碁でも、みな同じですが「我流」では必ず壁にぶつかります。伸び悩む時が来ます。「どうすればいいんだろう?」「何を行なえば自分の力が伸びるのだろう?」と思い悩む時が来ます。その時に、最終的に「プロ」になる人は「必要な理論と知識」を学んで、それを「実戦で応用」するようになります。つまり「知識」と「実戦」の両方を重視するようになります。
当たり前のことですが、「プロ」になるには「知識」と「実戦」の両方が必要になのです。

これは経営者も同じです。経営の世界でも「プロの経営者」は現場での「経験」の他に、マネジメントや経営、マーケティングや財務といった経営者として必要な「知識」を必ず身に付けています。ずっと社員のままでいるのなら「経験だけ」でもいいのですが、経営者になるなら「経営者としての必要な知識=経営戦略、マーケティング、広告宣伝、セールス、財務」を学び、それを実戦で活用出来ないと厳しいビジネス競争には勝つことが出来ません。コンスタントに儲けを出すプロの経営者を目指すなら「知識」と「実戦」の両方を身に付ける必要があるのです。

社員なら「一生懸命やりました!」ということで評価されることもありますが、経営者は会社やお店の規模の大小に関わらずその評価は「損益」で計られます。そのため小さな会社や小さなお店であっても真剣に継続的な利益をビジネスから生み出そうとするなら経営者にとって必要な知識である経営戦略、マーケティング、広告宣伝、セールス、財務を身につけることは避けては通れません。

しかし、先ほど述べたように小さな会社や小さなお店の経営者ほど、目の前に処理しなくてはいけない日々の業務があるので「経営戦略、マーケティング、広告宣伝、セールス、財務を学ぶ時間が取れない」のです。でも、そのままでは必ず壁にぶち当たることになるのです。そして、その間に競合の中に存在する真剣な経営者が先に経営者としての必要な知識を身に付け、実戦で応用し始めると収益の差がどんどんついてしまうことになります。

個人的な話で恐縮ですが私は28才で独立し広告代理業務、制作業務、モデル派遣、撮影手配、制作ディレクション、アイデア商品販売、ネットビジネス、データ販売、露天販売、キャラクターグッズ販売、インストラクター派遣、出張パソコン設定、パソコン教室運営等様々な商売をしましたが結局どれも軌道に乗せることが出来ずに10数年が過ぎました。
この間、経営者としては本当に「無能」でした。そのため、当然全く儲かりませんでした。

その後、私が41歳の時に大怪我をして長期入院を余儀なくされました。時間はたっぷりあったので、今までの起業後の10年を振り返り、ベッド上で「どうすればビジネスが上手く行くのだろう?」「何を行なえば良いのだろう?」「自分には何が足りないのだろう?」と考え続けました。

そして、その時に「私は起業して以来ずっと、思いつきや勘、人から聞いた儲け話を頼りに無計画にビジネスを行なってきたこと」、そして「私はビジネスを軌道に乗せるために経営者として必要なことを全然学んでいなかったこと」に初めて気がついたのです。このことに気がつくまでに10年以上かかったのです。
本当に馬鹿な経営者です。

そこで入院中に手持ちの全てのクレジットカードの利用限度額を眼一杯使って「経営戦略」「マーケティング」「心理学」「財務」に関する書籍や一流の経営者の講演ビデオ、DVD、カセットテープを買いまくり、入院中とその後のリハビリ期間の一年を通して経営戦略理論、マーケティング、販売のための心理学、財務を猛勉強しました。

そして、新規ビジネスの立ち上げを行いました。その一年後にビジネスから発生した私の年収は1000万円を超え、会社の年間売上げは9桁を超えました。正社員はわずか2名です。今でも税理士さんからは「役員報酬を今の3倍にしないとほとんど節税できない」と言われるぐらい強固な収益体質の会社になっています。(右図)その後、「億万長者入門」の著者として有名なロバートアレンの新刊本のインタビュー取材も受けるまでになりました。この間、わずか一年ちょっとです。

さらに2006年には大手出版社から「広告宣伝に関しての本を書きませんか?」というオファーを頂き、書籍の出版をすることができました。この本はインターネット書店最大手のアマゾンの「マーケティング・セールス部門」「広告宣伝部門」の両方で売上げランキング第1位という予期せぬおまけまで付いてきました。

これは私が特別だからではありません。
先述したように私はごくごく普通の人間で、何度も何度も失敗を経験している人間です。
ただ、ちょっとだけ他の人より真面目に努力して「必要なことを必要なだけ」学び、「知識と理論を応用して行動」したら、ちゃんと結果が出たのです。

だから、もし小さな会社や小さなお店の経営者であるあなたが今、売上げや収益に悩んでいて「どうすればいいんだろう?」「何を行なえば良いのだろう?」と思っているなら、それはラッキーなことなのです。このように悩む真面目な経営者だからこそ、「自分には何が足りないのか」を探しはじめ、それを身につけようとするからです。

このような思いに至って初めて、小さな会社やお店の経営者は「理論と知識」の必要性を認識し始めて、それを学び、「実戦で応用」できる「プロ経営者」になることが出来るのです。

だから、もしあなたが今、壁にぶつかっているのなら一旦業務を後回しにして時間をひねり出してでも「経営者にとっての必要知識の習得」を始めてください。
それが、結局は一番の「経営を成功させる近道」「儲けに至る近道」なのです。

あなたは経営者です。あなたの会社やお店を成功させるにはあなたが、今、出来ることをやるのです。
自分の会社やお店の明日の姿を変えることができるのは経営者であるあなただけです。
必要なことは必要なだけ学び、身に付け、それを実戦で応用し、自らの力で「プロの経営者」になりましょう。

会社やお店の明日の成功を実現出来るのは経営者であるあなたなのです。

あなたの益々の活躍と会社の発展を祈念しています。最後までお読み頂き誠にありがとうございました。




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