「じゃあ、私の先輩じゃないですか!」
ある会社の幹部の方と打ち合わせをした時のこと。
その方が同じ大学の卒業で、私の先輩であることが分かりました。

人は自分と共通項がある相手に好意を抱きやすいという心理があります。
具体的には、名前や誕生日、年齢、血液型、卒業校、出身地、趣味等です。

たとえば相手の誕生日が同じだと見知らぬ人からの依頼でも承諾する率が高いという心理学の実験結果もあります。また、自分と似た名前の人からの依頼にも承諾する率が高いという実験結果もあります。

そして、あなたにも次のような経験があるはずです。

・出身地が同じだったので相手に親しみを感じた。
・好きなアーチストが同じだったので相手と話が合った。
・同じ種類のペットを飼っていたので相手と話がはずんだ。
・応援しているチームが同じだったので相手とウマが合った。
・家が近所だと分かったので相手に好印象を抱いた。
・自分と名前や苗字が同じ芸能人に何となく親しみを感じる。

人は自分と関連がある相手、類似性のある相手、共通項のある相手に好意を抱きやすいのです。ということは・・・。

あなたとお客様の間に何らかしらの「関連」「類似性」「共通項」があれば、お客様はあなたに好意を抱きやすい、ということになります。

では、どうすればあなたはお客様との間に「関連」「類似性」「共通項」を作り出すことができるでしょう?

こちらから話を振るときには私は『木戸に立ちかけし衣食住』を利用しています。『木戸に立ちかけせし衣食住』と「せ」が入る場合もありますが、この言葉は営業先でお客様との会話の糸口になるキーワードを並べたものです。

「き」は気候、天気のこと。
「ど」は道楽や趣味。
「に」はニュース。時事、経済、スポーツニュース等ですね。
「た」は旅。旅行の話のこと。
「ち」は知人や友人の話。
「か」は家庭のこと。
「け」は健康、身体、病気のこと。
「せ」は性の話題。
「し」はもちろん仕事のこと。
そして衣食住の話題となります。

初対面の相手やあまり話が弾まない人との会話のきっかけをつかむためにこれらのネタを順に話題にすると、ネタに困らないということですが、私は初対面の人と話をするときはこれらのネタを振りながら、相手との「関連」「類似性」「共通項」を探すようにしています。

もし、仕事上で
「どうもこのお客様とは話がイマイチ合わないな・・」
と感じる人がいたら、相手との「共通項」を1つか2つ見つけて、そこから会話の糸口をつかんでいきましょう。

「幸運は準備をした者に訪れる。」
お客様に好意を持ってもらうためには、人間心理を理解して、
あなたからその準備となる共通項を見つけることが大切ですね。